以下の記事では、キャンプで使う寝袋について解説しました。そこでも述べましたが、実は寝心地を左右するのは寝袋よりもマットのほうが影響が大きく、防寒についても寝袋と同等の重要性があります。
当記事では、主にファミリー・オートキャンパーをターゲットとして、テントマット・シートの種類や使い分け方法等を説明し、選ぶ際の基準を解説します。
キャンプマットの役割
まずはじめに、キャンプのテント内でマット(テントマット、スリーピングマット)やシートが必要な理由について解説します。
居住性、寝心地の確保
テントそのものの生地は通常薄いものなので、マットなしだと固い地面の凹凸がダイレクトに使わってきます。
テントの下にある小石などを踏むと痛いですし、硬い床で寝るのも辛いです。膝をついたとき、下に小石なんかがあったりしたらギャッてなりますよ。
ある程度クッション性のあるマットを使うことで、居住性も寝心地も格段に良くなります。
断熱性(保温性)の確保
特に寒い時期、地面から伝わってくる冷気(地面に奪われる熱)は、多くの未経験の人の想像を超えるレベルです。
暖かい寝袋を使っても、床の断熱が不十分だと背中から体全体が冷やされてしまい、かなり寒い思いをします。
特に寒い時期には断熱性の高いマットを使用することを強くおすすめします。
テント生地のの保護
テントの下の小石や小枝により、テントのフロア生地が傷むことを防止します。
また、テントの防水機能の補助や汚れを防ぐ目的もあります。
マット・シートの構成
下の図は、テントに使用するマット・シートの構成を示したものです。
実際のところ、これはかなり贅沢な構成で、あとにも述べますが、必ずしもすべてが必要だというわけではありません。例えば、荷物を減らしたい登山用途などでは、スリーピングマットだけしか使わないことが多いです。
以降で、それぞれのシート・マットの役割や必要性について説明していきます。
グランドシート
グランドシートは、テントの下に敷くシートです。
役割
基本的にテントのボトム(床)部分は防水性能が高い比較的丈夫な生地で作られていますが、人の体重などの負荷が大きいため、最も痛みやすい部分でもあります。
グランドシートを使う目的の1つはテントの下の小石や小枝などによって、テントのボトムが傷むのを抑えるためです。
もう一点は、シート自体の防水性により、テントの防水性を補強することです。
更には、洗うのが面倒なテント本体に汚れがつきにくくなるという効果もあります。
必要性
必須ではありませんが、主な目的がテントを保護するためのものなので、少なくとも荷物の制限がゆるいオートキャンプでは使用することをおすすめします。
インナーマット
テントマットなどと呼ぶこともあります。その名の通り、テントの内部の大部分を覆うマットです。
役割
通常クッション性のあるものを使い、地面の凹凸や小石などの影響を和らげます。これは、テント内にいるときにテント下の小石などを踏んで痛い思いをしないようにするのと同時に、テントのボトムを傷めないようにする効果もあります。
また、テント内の床の大部分を覆うことにより、地面から伝わる冷えを低減し、テント内の気温が下がりにくくなる効果も大きいです。
必要性
特に寒い時期は、インナーマットか、後に説明するスリーピングマットの少なくともどちらかは必須と考えてください。地面が冷えているような時期や場所でマット無しで寝るのはちょっと無謀です。
また、テント内で過ごすことが多いようであれば、全面にクッション性のあるマットを敷いておくとかなり快適になります。
インナーシート
リビングシートなどとも呼ばれます。インナーマット全体を覆うようなシートです。
役割
これの役割はカーペットのようなものだと思ってください。
座ったり横になったりする際の床面の肌触りを良くしたり、テントの中がインスタ映えするようにします。
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必要性
これはなくても問題ありません。
テントをリビングとしても使うスタイルにする場合は、あったほうが気持ちよく過ごせるでしょう。インナーマットに銀マットを使っている場合など、上に1枚のシートがあるだけで精神的にも気分がぐっと上がると思います。
テントは寝室+物置と割り切る場合は不要だと思います。
スリーピングパッド
呼び方はいろいろあり、「寝袋マット」「スリーピングマット」「シュラフマット」と呼ばれることが多いかと思います。寝るときに体の下に敷くマットです。
役割
クッションにより寝心地を良くし、断熱性により地面の冷えが伝わってこないようにします。
また、インナーマットを使用しない場合は、インナーマットに変わってテントを保護する役割も持ちます。
必要性
最も重要なマットです。
最小構成にするとしたら、スリーピングパッドのみを使うことになります。
インナーマットに十分な断熱性とクッション性のある物を使用していない限りは、必須と考えてください。
多くの場合、「寝袋マット」や「スリーピングマット」と呼ぶことが多いですが、メーカーではスリーピングパッドと呼んでいるところが多いですね。
日本では「マット」派が主流ですが、実は英語の場合、主流は「Sleeping pad」なんです。
日本でマットというのは、敷き物の「マット」ではなくて、「マットレス」が略されてマットになっているのではないかと想像しています。
マットの断熱性
ここで一旦、マット(特にスリーピングパッド)を選ぶ際に重要な指標となる、断熱性について説明していきます。特に寒い地域・時期にキャンプをする場合は、地面からの冷えを断つ断熱性能は、マットを選ぶ際に必ず考えなくてはならない性能です。
マットの断熱の大部分は空気によるもの
例えば、キャンプマットの代表的な素材であるポリエチレンと、空気の熱伝導率(熱の伝えやすさ)を以下に比較してみます。
物質 | 熱伝導率 [W/m*K] |
空気 | 0.0241 |
ポリエチレン | 0.41 |
ここでは、ポリエチレンを例に挙げましたが、プラスチック樹脂系の材料の熱伝導率はだいたい0.1~0.5[W/m*k]くらいです。
こうしてみると、熱の伝わりやすさは、空気のほうがポリエチレンの1/10以下ということがわかります。
キャンプマットの断熱性は、この空気の熱伝導率の低さ(断熱性の高さ)を利用して確保しているのです。
つまり、例えばテントに仰向けになった時、地面と背中の間に、どれだけに空気の層を残すことができるかが、寒い思いをしないようにするための重要なポイントとなります。
これは、横になると体重により体の下の空気層がなくなってしまい、地面側にどんどん体温を奪われてしまうためです。
特に羽毛の寝袋は、横になると背中側が完全に潰れてしまい、空気層はほとんどなくなってしまいます。
それでは、後に説明するクローズドセルマットとエアマットを比較した場合、内部がすべて空気であるエアマットのほうが断熱性能が高いかというと、そういうわけでもありません。
なぜかというと、空気は自由に動くことができる(対流する)ため、空気と一緒に熱も移動してしまうからなのです。
空気自体は熱が伝わりにくい物質ですが、エアーマット内の地面に近い冷たい空気と体に近い暖かい空気はすぐに混じってしまい、結果として簡単に熱を伝えてしまうのです。
実際には、普通に販売されているエアマットの多くは、通常クローズドセルマットの数倍以上の厚みがあり、さらにハイスペックなエアマットは内部に化繊や羽毛を入れることで空気の移動を抑える等の工夫がされているため、クローズドセルマットよりも断熱性が高いものが多いです。
スリーピングパッドの断熱性能を判断するための指標
断熱性能が重要となるスリーピングパッドでは、そのマットがどの程度の断熱性能をもつのか知る必要があります。
そのため、少なくともちゃんとしたマットのメーカーは、各スリーピングパッドのスペックとしてR値(R-Value)という値を公開しています。R値が高いほど断熱性の高い(暖かい)マットです。
※ 残念ながら、多くのファミリーキャンプ用品メーカーはこの値を公開していないんですよね。。
このR値ですが、まっとを重ねたときは単純にそれらのマットのR値を足し算すれば良いです。例えばR値2.0のマットの上にR値3.0のマットを重ねたら、その組み合わせでR値は5.0となります。
メーカーが異なる製品の断熱性能をフェアに比較する手段がないという状況を改善するため、2019年にASTM F3304-18(Standard Test Method for thermal Resistance of Camping Mettresses Using a Guarded Hot Plate Apparatus)という、業界標準規格が策定されました。
現在は大手メーカーは大抵この規格によるR値を公表しています。※ 例えば、サーマレストのZライトソルという定番マットは、この規格に沿った表記に変更されたため、以前はR値が2.6とされていたものが、現在は2.0となっています。
それでは、どのくらいの気温のときにどのくらいのR値のものにすればよいかということですが、一例としてサーマレストのサイトで公表されている値を以下に示します。
季節 | R値 |
夏 | 1.0-2.0 |
3シーズン(春・夏・秋) | 2.0-4.0 |
オールシーズン | 4.0-6.0 |
極地(EXTREME COLD) | 6.0- |
What is R-value? : THERM-A-RESTより
まず、どの地域の気候を元にしているのかわかりませんし、個人差もあると思います。さらに、このあたりの目安はメーカーによって違っていたりするので、かなり大まかな目安にしかならないと思います。
僕の場合、だいたいこの表のとおりですかね。R値が2.0のクローズドセルマット(発泡フォームマット)だと春、秋でも暖かい時期でないと不足しますし、冬はR値5.0くらいで問題なかったです。
※ 今は真冬のキャンプはしないので、これは元気な学生だった頃の感覚です。生活が怠惰になってしまったいまなら冬にR値5.0はきついのかも。。(そもそも当時はASTM規格のR値表記ではなかったですが…)
マット・シートの選び方
それでは、それぞれのマット・シートはどうやって選べばよいのでしょうか?
以下では、キャンプに使うマット・シートを選ぶ基準について解説し、ファミリーキャンプ・オートキャンプでおすすめできる商品を紹介していきます。
グランドシート
ファミリーテントの場合は、各テント専用のグランドシートが販売されていることが多いです。
専用グランドシートがあればそれを使うのが楽でいいのですが、メカーによっては「何でこんなに高いの!?」って言うことが多々あることも事実です。
そのため、代替品を使う人も多いですね。
代替品としては、小さめのテントであればコンパクトな防水レジャーシートが使えます。
ファミリーサイズになると、よく使われるのはブルーシートです。特に厚手(#3000以上)のブルーシートは、丈夫で耐水圧も高く、いい素材だと思っています。
ブルーシートと言っても、青いとは限らないですよ。
ただちょっと、専用品はたいていコンパクトに畳めるのに対し、ブルーシートはかさばります。
僕はテントと一緒に専用グランドシートを購入してしまっています。ただ、ブルーシートはあればあったで、設置・撤収時に荷物を広げたり、テントやタープをたたむときなどに便利なので持っていくようにしています。
インナーマット
グランドシートと同様に、ファミリーテントでは専用マットが別売で用意されていることが多いです。
ただこれもグランドシートと同様、機能性の割に高く感じるものも多いです。
専用マットの代替品としてよく使われるのが、いわゆる銀マットです。
これはアルミマットというもので、通常は発泡ポリエチレンのマットに、アルミを蒸着したPET(ペットボトルの原料でもあるプラスチック)のシートを張り合わせたものです。
発泡ポリエチレンのクッション性と断熱性に加え、蒸着アルミシートによるさらなる断熱性と湿気を通さないPETシートの組み合わせがインナーシートにもってこいなんです。
専用インナーマットに比べてかなり安くつくうえに、(専用マットは薄い場合が多いので)居住性も銀マットのほうが良い場合が多いため、収納サイズが厳しくないオートキャンプではかなり使われています。
厚みは8mmのものが多いですが、かさばるのが許容できるのであれば、15mmのマットをおすすめします。地面の凹凸や小石などの影響が全然違います。
くるくると丸めて収納するロールタイプと折りたたみタイプがありますが、これは折りたたみタイプのほうがいいと思います。折りたたみタイプは、畳むと直方体になるので、円柱になるロールタイプに比べて、自宅にしまうときも車に積むときも場所を取りにくいです。
ちなみに、ちゃんとしたマットがなくても、ダンボールを数枚重ねるだけでも全然違います。会社のオフィスとかで仮眠をとることのある人ならよくつかう手では?
インナーシート
これはもうお好みで敷きたいものがあればそれを敷くでいいと思います。
薄手のラグや夏場はゴザなどを敷くと気持ちいいのではないでしょうか?
実を言うと、僕の場合テントはほぼ寝るときにしか使わないこともあり、インナーシートは使っていません。
あえて言えば、寒い時期は(電源サイトで)ホットカーペットを敷きます。これはシートというか暖房ですよね。。
スリーピングパッド(寝袋マット)
※ 重要なマットであり、選ぶのにも悩むことが多いと思いますので、特に詳しく説明していきます。
スリーピングマットには、大きく分けてクローズドセルフォームパッドとインフレーティングパッドの2つのタイプがあります。さらに、インフレーティングマットは、エアーインフレーティングパッドと、セルフインフレーティングパッドに分類されます。
クローズドセルフォームのタイプは、発泡材料を用いてマットの内部に気泡が詰まったような状態にしています。つまり、空気の閉じられた(Closed:クローズド)小部屋(Cell:セル)でできた泡(Foam:フォーム)で構成されているため、クローズドセルフォームというわけです。
先に述べた、銀マットもこのクローズドセルフォームタイプになります。
一方のインフレーティングタイプは、使うときだけ空気を入れて膨らませるタイプのものです。乱暴になたとえですが、浮き輪のようなものです。
エアーインフレーティングとセルフインフレーティングの違いについては、この後に説明します。
クローズドセルフォームパッド
日本国内では、クローズドセルマットと呼んだり、(銀マットではなく)スリーピングパッドの場合、EVAマット、ウレタンマットなどと呼ばれることが多いです。ただ、実際にはウレタンやEVAは一部の製品を除きほとんど使われおらず、架橋ポリエチレン(XLPE : Cross-linked polyethilene, XPE/IXPEもXLPEの一種)と呼ばれる素材使われているものがほとんどです。
※ 弾力性を出すために架橋ポリエチレンにEVA(エチレン酢酸ビニル)を配合しているものもあるようです。
銀マットとXPEマットの大きな違いの一つはそのクッション性です、銀マットの材料である発泡ポリエチレン(EPE)よりもXPEのほうが柔らかく弾力性があるため、寝心地は銀マットよりもXPEマットのほうがずっと良くなります。一方で、上を歩いたりするときのように一箇所に体重が大きくかかるような場合は、ちょっと硬めの銀マットのほうが楽です。
インフレーティングパッドに対するクローズドセルマットのメリットは、耐久性に優れるということです。クッション性や断熱性を作り出しているのは独立した気泡ですので、その一部が傷ついたくらいでは問題なくそのまま使えます。穴が空いても、極端な話ちぎれても使えます。(登山目的の人は軽量化のために小さく切ったりすることもあるくらいです)
また、使いたいときにさっと広げてすぐに使えるのもメリットになります。ちょっと休憩のために腰掛けたいなんて言うときには便利ですね。
価格もインフレーティングパッドに比べると安くなります。
一方デメリットというと、1つには畳んだときのサイズが大きいことがあります。これはインフレーティングタイプのように空気を抜けるわけではないのでしょうがないですね。
また、厚みはせいぜい2cmくらいなので、クッション性や多くの場合は断熱性も、厚みのあるインフレーティングマットよりも劣ります。
クローズドセルマットのド定番が、サーマレスト(Therm-a-rest)のZライトソルです。
登山をやる人はみんな持っているんじゃないかというくらい、サーマレストのスリーピングパッドは信頼性が高いものです。
ただ、ちょっとお値段は高めですね。
サーマレストの本家サイトの商品ページを見ると、材質(Fill material)はCross-linked polyethelene(架橋ポリエチレン)と書いてあります。つまりXPEあるいはIXPEの類ということです。
※ 参考 : Wikipedia “Cross-linked polyethelene”実際、EVAのフォームはもう少し弾力性があるゴムっぽい感触になると思うのでZソルライトの材質が純粋なEVAっていうことはないんじゃないかと思います。
実質的な価格は1/3で重量は3割以上軽いのに、厚みは同じ2cmと、ちょっと驚きのEVAマットがキャプテンスタッグのEVAフォームマット(これの素材はEVAと発泡ポリエチレンとのことです。EVA配合のポリエチレンフォームっていうことなら、他のものと同じ組成ですが、わざわざEVAフォームと言っているのでなにか違いがあるのかもしれません)です。
僕は使ったことがなく、断熱性能も公開されていないので、どの程度のものなのかはわかりませんが、ファミリーキャンプでは使っている人が多いし、人気商品ですね。
エアーインフレーティングパッド
エアーマットと呼ばれることが多いです。文字通り空気を入れて膨らませるタイプのものです。
空気を抜いてしまえばぺちゃんこになるので、収納時のサイズが小さくなることがメリットです。
エアーマットのゆらゆらした寝心地が好きな人には、大きなメリットになるはずですが、これは好みが分かれるところだと思います。
僕の場合は、もうちょっとしっかりしたもののほうが好みです。(ただし、これは知り合いのマットで短時間横になってみただけでの感想です。エアマットについては、自分で所有したり実際に眠ったことがあるわけではありません。)
先に浮き輪に例えましたが、ハイスペックなものは、内部を層構造にしたり羽毛などを入れて、空気の動きを制限することで断熱性を高めるなどの工夫がなされています。
デメリットとしては、高価なことと、ウレタンマットと違い一箇所でもダメージがあると全体の空気が抜けてしまうため、就寝中に使い物にならなくなるリスクがあります。
これについては、僕も使ってみたことがないため、世界中で最も知られていると思われる物を紹介しておきます。
定番と言えるのは、サーマレストのネオエアーシリーズです。クローズドセルマットでもそうですが、寝袋マットと言えば、世界で最も信頼されていると言っても過言でないのがサーマレストですね。おそらく本格的な登山ではもっとも使われているメーカー(ブランド)だと思います。
セルフインフレーティングパッド
日本ではいろいろな呼び方がされており、正直エアーマットと混同してしまいそうになることもあります。
呼び方の例としては、インフレータブルマット、インフレーターマット、インフレートマット、オープンセルマット、自動膨張式マット等々です。最後の2つ以外はエアーインフレーションなのかセルフインフレーションなのか、よくわかりませんよね。
こちらもエアーマット同様、使うときだけ空気を入れるタイプですが、「自動膨張式マット」というように、栓を開けるとある程度自動で膨らむのが特徴です。
これは内部にオープンセルマットが入っており、そのマットが空気を取り入れて形を復元しようとする力を利用しています。
空気は完全な気泡になっているわけではないので、力を加えると空気が抜けていきますが、力がかかっていない状態では、樹脂の弾力により空気を取り込んで膨らみます。
ちょうど握りつぶしたスポンジも、手を開けばもとの形に戻るのとおなじです。
自動的に8割がた膨らむ(残りの2割は最後にエアーマットのように吹き込みます)ことがメリットということになっていますが、これに関しては内部にオープンセルマットがあることによるたたみにくさのデメリットのほうが大きいと個人的には思います。
メリットは、(同じ厚みで特別な断熱構造のない)エアーマットよりも断熱性が若干高いことです。これは、先に説明した通り、マット内部の空気が移動しにくいためです。
また、エアーマットのふわふわが苦手な人にとって、弾力感のあるこちらのほうが快適だと思います。
僕の印象では、少なくともオートキャンプではエアーマットよりも多く使われています。
こちらも定番はサーマレストになるかと思います。
ただ、僕が自分も使っていておすすめだと思うのはシートゥサミット(SEA TO SUMMIT)のセルフ員不レーティングマットシリーズ(SEA TO SUMMITの製品は「Pad」じゃなくて「Mat」と表記)です。
価格はサーマレストよりもお得感があり、エアーのバルブに工夫がされていて、膨らますときだけでなく、たたむときも空気が逆流しないようにすることができます。これはなかなかすぐれものです。
なかでも僕がおすすめできるのは、キャンプ マットS.I.です。これはコスパが良いです。
厚みは3.8cmで、あまりふわふわしすぎない寝心地で、R値は4.6と、厚みの割には高いです。下に15mmの銀マットを敷いた状態であれば、おそらく年間を通して寒さも寝心地も問題ないと思います。
我が家のマット・シート構成
これだけ言っておきながら「ふざけるな!」って怒られそうなのですが、最近の僕のテントのマットはかなり適当です。
使っているのは、テント純正のグランドシートと、クローズドセルタイプのマット(サーマレスト Zライトソル)だけなんです。
Zライトソルは、一人一枚使うのではなく、テント全体(といっても面積にして7-8割)に敷き詰める感じです。僕はこれでぐっすり眠れちゃうのでOKです。(ただし枕がなかったら全く眠れないんです。。)
家族は上に挙げたシートゥサミットのマットを使っていることもあります。
寒いときは、最近はもっぱらホットカーペットを使っているので、マットの断熱とか、あまり関係ないんですよ。。