僕がファミリーキャンプを始めた当初、照明はLEDランタンで調理はカセットコンロか炭火が多かったです。子供が小さかったこともあり、燃料系の火器には抵抗があったんですね。
現在の僕のキャンプ構成
ランタン(照明)
メインランタンはガソリン、サブやテント内で使う照明はLEDです。
メインのランタンは明るさを求めてコールマンのノーススター(ガソリン版)です。
ガソリンランタンの中でもかなり明るい(一番明るい?)もので、これに慣れちゃうとちょっと他のものでは物足りなくなってしまいます。
サブとしてテーブルの上やテントの中にぶら下げて使っているのはBarebonesのビーコンライトです。これをタープの天井からテーブルの上に2つぶら下げています。
この組み合わせで、ファミリーサイズのタープの下でも十分すぎるくらいな明るさになります。
※ 僕は海外のホテルみたいな暗い部屋が余り好きではないんです。キャンプでも特に食事時などは明るくしたい派なんですよ。
なので、日本の照明は欧米の人たちにとっては明るすぎると感じられることが多いのだそうです。
調理火器
メインはカセットコンロとBBQコンロ、サブとしてガソリンのシングルバーナーです。
一番好きで、キャンプに行けば必ず1回は使うのがBBQコンロです。やっぱり焼き物は炭火がうまいと思います。
とはいえ、使用頻度が一番高いのは使いやすいカセットコンロです。とにかく扱いやすいし、比較的安全性も高いというのが魅力ですね。
使っているのはイワタニのカセットフーBO EXです。かれこれ10年以上使っていると思います。
たまに長時間の煮込み料理や朝の湯沸かしなど、カセットコンロは開けておきたいときや、なんとなく一人で気分に浸りたいときに湯を沸かしたりするのに使うことがあるのがシングルバーナーです。
僕が使っているのはMSRのドラゴンフライです。
https://www.kanicamp.com/kamping-style/site-with-power-supply
その他
他には、アルコールストーブを今では炭火の着火専用に持っていきます。
ちなみにアルコールストーブに着火するのはマグネシウムファイヤースターターです。(これはチャッカマンとかのほうが楽なんですけど、子供の前でカッコつけるためです。。そもそも着火剤1個あれば済む話なんですけど。。)
あとは、懐中電灯・ヘッドライトくらいかと思います。おまけのように書いちゃいましたが、手持ちできる照明はキャンプにはほぼ必須だと思います。
手持ちできる照明がないと夜にトイレにもいけませんよ。
持っていく燃料
上記の火器類を使うので、持っていく燃料は以下のものです。
- ガソリン
- 使っているランタンもストーブ(バーナー)も無鉛(レギュラー)ガソリン対応なので、無鉛ガソリン(いわゆる赤ガス)を使うこともあります
- カセットボンベ
- (乾電池を使うタイプの)モバイルバッテリー
- アルコール
最後のアルコールは着火剤代わりにしか使っていないのでなくてもよい(なくてもどうにかなる)のですけど、ガソリン・カセットボンベは必須になっています。
各燃料の概要
液化ガス(LPG)
一口にガスと言っても、アウトドアで使用されるガスにはいくつかの種類があります。また、ガスを入れる缶(カートリッジ)も大きく分けるとOD缶、CB缶の2種類があります。
それぞれの特徴など、詳細については以下の記事を参照してください。
カセットコンロなどに使われるのでよく見かけることのある、いわゆるカセットガスがCB缶と呼ばれるものです。
一方OD缶(アウトドア缶)の方は、主にアウトドア用の火器で使用されるもので、CB缶に比べると比較的寒冷地に強いガスが充填されていたりするものがあるなどの特徴があります。
ガソリン
普通に「ガソリン」と言うと、自動車などに使うものを想像しがちですが、アウトドア用のランタンやストーブ(バーナー)に使われるのは、主に「ホワイトガソリン」と呼ばれるものです。
※ 自動車用のガソリンが使用できる製品もあります。
ホワイトガソリン/自動車用ガソリンの詳細については、以下の記事を参照してください。
灯油
これは、一般的にガソリンスタンド等で売られている灯油そのものです。
非常に安く、ガソリン等に比べると安全性が高いことが特徴ですが、後述するデメリットも大きく、アウトドアで使用されることは(灯油が使用できる製品は)前述のガス・ガソリンに比べて少ないのが実情です。
アルコール・パラフィンオイル
こちらもキャンプで使用することのある燃料ということで触れておきますが、ガス・ガソリン・灯油とは使用目的も別になるので、ごく簡単な紹介に留めます。
アルコールについては、アルコールストーブなどの専用機器で使用します。
また、火がつきやすく(気化しやすく)燃焼時のススも少ないことから、灯油の火器のプレヒートに使用する場合もあります。
パラフィンオイルは、燃焼時のススが少ないことから、灯油向けのオイルランタンの燃料として使用されることがあります。
また、アロマや虫よけの成分を配合していたりするものがあり、これらもオイルランタンに使用される理由の一つとなっています。
ここで「オイルランタン」と言っているのは↓のようなテーブルランタンです。
燃料のコスト比較
それでは、各燃料のコストを比較してみます。
ここでは比較のために、MSRのWisperLite Universalのスペックを用います。
この製品は日本では未発売ですが、燃料として、ガス(OD缶)・ホワイトガソリン・無鉛ガソリン・灯油が使用できるという優れものです。
製品スペックには、1リットルの水を沸騰させるのに必要な燃料の質量を、ガス・ガソリン・灯油それぞれ示されています。
ここでは、1リットルの水を沸騰させるためのそれぞれの燃料の価格に換算して比較しています。
燃料 | 1リットルの水を 沸騰させる燃料 | 燃料価格 | 備考 |
MSR IsoPro(OD缶) | 15.7g | 61.1円 | IsoPro(226g)を880円として計算 |
OD缶(参考) | 15.7g(仮定) | 31.4円 | 500円/250gとして計算 |
SOTO レギュラーガス (CB缶)(参考) | 15.7g(仮定) | 17.0円 | 1本(250g)を270円として計算 |
ホワイトガソリン | 21.8g | 20.9円 | 価格を670円/リットル 比重を0.7として計算 |
無鉛ガソリン(参考) | 21.8g(仮定) | 4.36円 | 価格を140円/リットル 比重を0.7として計算 |
灯油 | 17.7g | 1.7円 | 価格を75円/リットル 比重を0.8として計算 |
– MSRのOD缶は高価なので参考として一般的と思われるOD缶の価格も入れています – CB缶は代表としてSOTOのレギュラータイプを入れています — アウトドア用の火器の純正ボンベとしては標準的な価格です |
このように、燃料のコストとしては、安い順にすると以下のようになります。
燃料コスト(安い順)
灯油 << ガス(CB缶) < ホワイトガソリン < ガス(OD缶)
※ 実際には、ホワイトガソリンも安いものだと上記価格(コールマン純正のホワイトガソリンの価格)の半分近い価格だったりするものもあるので、CB缶とホワイトガソリンの順序は微妙です。
各燃料の入手のしやすさ・扱いやすさ
燃料の扱いやすさに関しては、定量的に(数値で)説明できない部分も多いので、僕の主観も入っていますのでご了承ください。
最初に結論(僕の考え)をまとめてしまいます。
燃料 | 入手性 | 扱いやすさ |
ガス(OD缶) | × | ◎ |
ガス(CB缶:イワタニ) | ○ | ◎ |
ガス(CB缶:イワタニ以外) | × | ◎ |
ホワイトガソリン | × | × |
無鉛ガソリン | ◎ | × |
灯油 | ◎ | × |
入手性
入手性に関しては、以下の基準にしています。
- ガソリンスタンドで買える → ◎
- 多くのコンビニやホームセンター等で買える → ○
- アウトドアショップやネットなら買える → ×
まず、OD缶やホワイトガソリンは、大抵の場合アウトドアショップやネットで購入することになることがあります。
一部、ホームセンターでも購入できることがありますが、ほしいメーカーの純正品があるかどうかはわかりませんね。
CB缶に関しては、イワタニのカセットボンベであれば、多くのコンビニで売っていますね。
一方、イワタニ以外のアウトドア用ガス機器の純正品(SOTO, UNIFLAME, Snow Peak等)は、アウトドアショップでないとお目にかかることは少ないです。
無鉛ガソリンや灯油はガソリンスタンドで購入できますので、入手性は優れていると言えます。
扱いやすさ
安全性を含めた扱いやすさでは、ガス(CB缶もOD缶も同じ)が優れていると思っています。
使用する際は、カートリッジを火器に取り付けて、あとは弁を開けばガスが出てきます。
一方、ガソリンや灯油などの液体燃料は、燃料タンクに入れた後、タンク内部の空気を圧縮するためのポンピングという作業が必要です。
これは圧縮空気によってねんりょうをタンクから押し出すようにするための作業です。(ガスの場合はそれ自体がカートリッジ内で高圧になっているので、ガスは勝手に押し出されてきます)
さらに、液体燃料の場合は、タンクから押し出された液体燃料を燃料管の途中で気化させる必要があり、そのために燃料管を事前に温めるためのプレヒートと呼ばれる作業が必要になります。
このように、液体燃料はガス燃料に比べて使用する際に面倒な作業を必要とします。実際、火をつけるだけで数分以上かかります。
また、機器のメンテナンスについてもガスの方が有利です。
不純物が混入する可能性が少なく、煤(すす)の発生も少ないガスの場合、機器のメンテナンスが楽になります(メンテナンス頻度が少なくて済みます)。
液体燃料、特に無鉛ガソリンや灯油は煤の発生が比較的多かったり、(無鉛ガソリンは)燃料自体に不純物が入っているため、機器のメンテナンスの頻度は多くなります。(燃料の配管が詰まりやすいためです)
安全性についても、燃料が溢れる危険はカートリッジ式のガスの方が比較的高いと思います。
特に揮発性の高いガソリンは、こぼした際などに引火する危険性が高いため、取り扱いに細心の注意が必要となります。
ただ、特にガソリンは最大限の注意が必要です。ガソリンは灯油よりも気化しやすく、気化したガソリンに静電気などでも引火する場合があり、その際は爆発的に燃焼します。
一方灯油は、ガソリンに比べて燃えにくく、こぼしたものに直接火を付けてしまうようなケースを覗いて引火してしまう可能性は少ないです。
いずれにしろ、万が一こぼしてしまった場合は、多少離れた場所でも火気は厳禁です。
どれを選べばいい?
それでは一体、どの燃料を使えばよいのでしょうか?
僕の経験上、最初は扱いやすく、安全性が高いものを選ぶようにするとよいのではないかと思います。それがこの後紹介する燃料の構成です。
慣れてきたら、自ずと自分にあったものが見えてくるものですから。
これからキャンプをしたいけど何がいいのかわからない人へのおすすめ
キャンプ初心者に僕がおすすめするのは、ランタンはLED、調理火器はアウトドア向けのカセットコンロです。
※ ファミリーキャンプ・オートキャンプを想定した場合です。
まずランタンについてはLEDが使いやすく安全です。
最近は、LUMENA(ルーメナー)という非常にコンパクトで明るいLED照明があり、キャンパーの間でもかなりの人気になっています。
最大の明るさで、点灯時間が8時間なので、火が長い時期なら2泊持つくらいです。
もちろん燃料コストは充電するだけなので灯油と比べても圧倒的に安いですよ。
ガソリンやガスのランタンは、光の色味等はいいのですが、やはり火を使うためある程度の危険が伴う(特に子供にとっては危険な火に見えないので)のと、ソロキャンプで使う場合などにはかさばりすぎるんですよね。
LEDはテント内でも使えることも大きなメリットになります。
調理用の火器はカセットコンロが使いやすくていいと思います。
アウトドアで使いやすいカセットコンロはイワタニからいくつか出ています。(アウトドアを想定していない普通のカセットコンロは風にすごく弱いので逆に使いづらいかもしれません)
まずはこのあたりのランタン・カセットコンロから始めて、慣れてきたら他の選択肢を考えてみるっていうのが、大きな失敗がないと思います。