オイルランタン/ハリケーンランタンの正しい(?)使い方

当記事では、オイルランタン(ハリケーンランタン)の使い方について解説します。

ネットやYoutubeを見てみると、ウィック(芯)の先を台形やら三角に切るだとか、芯は何ミリ出して使うとか、様々な流儀がありますね。

中には「さすがにそれはちょっと違う(まずい)んじゃないの?」って思うようなものもあります。
まあ、そんな記事や動画をいくつか見かけたのが、今更ながらこんな記事を書いてみようと思ったきっかけなのですが。

はじめに

この章では必須ではない予備知識を書いていますので、読み飛ばしていただいてもOKです。

オイルランタン? ハリケーンランタン?

ランタンのタイプ

厳密に言うと、オイルランタンの中の一つにハリケーンランタン(ストームランタン)があって、ハリケーンランタンの中にもいくつか種類があって、その一つがコールド=ブラスト方式というもので、本記事の対象がこれです。
下の写真みたいなものです。

デイツ ハリケーンランタン #76

キャンプなどで使う人が多いのはこのタイプですよね。

少なくとも日本のキャンパーさんの中では、単に「ハリケーンランタン」とか「オイルランタン」と言えばこれを指すことが多いのではないかと思います。

本記事では以降、単に「オイルランタン」と表記する場合は、このコールド=ブラストのランタンのことを指します。

メーカーによる違い

オイルランタンの代表的なメーカーとして、フュアハンド(Feuerhand)とデイツ(DIETZ)があります。

日本だけでなく、世界的にもこの2社のオイルランタンが2大メーカーです。

その他、中国で出回っているものをベースとしたと思われる低価格に強みのある製品が色々なメーカーから販売されていますね。
その中でもメジャーなところはカメヤマキャンドル・キャプテンスタッグ・BUNDOKなどですね。
これらは基本的なデザイン(設計)はどれもほぼ同じです。
そのため本記事では、それらの製品を総称して「中華系ランタン」と呼びます。

フュアハンドもデイツも中華系ランタンも、見た目や機能はどれも大差ありません。
なので基本的な使い方も同じ
です。

本記事の対象

先に述べたように、オイルランタンの基本的な使い方はどの製品もだいたい同じです。

とはいえ、使い方を示すにあたり、適正な炎の大きさなどはランタンのサイズによって違ってきますので、本記事では以下のランタンを想定した説明とします。

  • フュアハンド ベイビースペシャル 276
    • 対応芯 : 4分芯(芯幅 約12mm)
    • フュアハンドの製品はこれ一択(これしか製造していない)
  • デイツ #76, #78
    • 対応芯 : 4分芯(芯幅 約12mm)
    • #76と#78は燃料タンクの大きさが違うだけ
  • 中華系ランタン

対応する芯をわざわざ示しているのは、これで明るさ(炎の大きさ)が決まるからです。
中華系ランタンの芯はフュアハンド・デイツに比べてちょっとだけ細いですが、はっきり体感できるほどの明るさの違いは無いです。
※ 違いがあるとしても、芯の出し方の加減などでどうにでもなるくらいの違いです。

どの製品もサイズが25cm~28cm程度のもので、キャンプでは最も人気があるサイズだと思います。

ちなみに、本記事の説明や写真で使っているランタンはデイツの#76です。
買ったばかりなのできれいでしょ? ピカピカでかっこいいでしょ? 在庫処分品を見つけて安くゲットしたからね(自慢)。

使い方の説明の前に : オイルランタンの現実

オイルランタンに対するネットの口コミなどをみると、オイルランタンに過剰な期待をするあまりに、無理な使い方をしてがっかりしたり憤ったりしている方がいるように見受けられます。

「私はなにも悪くないのに煙と匂いがすごく出ます。この製品を買ってはいけません!!」

「私はなにも悪くないのに芯を一日で消費してしまいました。このメーカーの製品は一生買いません!!」

「私はなにも悪くないのにちょっと傾けたらオイルが漏れました。このメーカーの製品は孫の代まで買いません!!」

もちろんタンクの底部からオイルがボトボト漏れてくるようなのは完全な不良品ですし、そんなのを掴まされたら誰だって怒りますよね。

でも、もし買う前・使う前に使用者に正しい使い方が伝わっていれば、防げていた問題も多々あるのではないかと思うのです。

というわけで、知っていれば無理な使い方をしなくてすむかもしれない、オイルランタンの性質についていくつか確認しておきましょう。

照明としての実用性は高くない

オイルランタンは暗いです。

キャンプで明かりを得ることを目的としているのなら、LEDやその他の照明をおすすめします。

オイルランタンは、照明というよりも、そのシルエットから感じる情緒や炎のゆらめきによる癒やしを嗜むものだと考えてもいいと思います。
もちろん、寝る前に何もせずまったりしたいときはちょうど良いかもしれませんし、慣れてしまえばこれ一つで不便に感じない人もいるかも知れません。

僕の場合は、サイト全体を照らすメインランタンはガソリン加圧式の明るいやつ、テントの中やテーブルまわりを照らすサブのランタンがLEDのものをたいてい2つ使用しています。
で、オイルランタンは照明としてはサブのサブ扱いです。

オイルランタンを無理に明るくする努力は報われにくいです。
それより100均のLEDランタンを余分に持っていくことを考えてみるのも有効な手ではないかと思います。

オイルランタンとLEDランタンの比較
左がオイルランタン、右がLEDランタン

写真の右にあるのが、子供が運動会かなんかでもらってきたLEDランタン(たぶん100均にあるやつ)です。
LEDの光がランタンの影を作るくらいに、明るさの違いがあることがわかりますね。
でも雰囲気はオイルランタンの圧勝だと思いません?

揺らしたり傾ければオイルは漏れる

オイルランタンは水平なところに置くか、揺れないところにぶら下げて使うものです。
揺れたり傾けたりしても大丈夫なようにはできていません。

オイルランタンの燃料の上限

具体的には、上の写真の赤い線より上に燃料が届くと漏れてもおかしくありません。

給油口の一番低い位置のフチよりちょっと下くらいが燃料満タンの目安になると思います。

大抵は漏れるとしたら下の写真の青い丸のどこかです。
もし赤い丸のところから漏れていたら、残念ながらそれは不良品か使っているうちに壊れたかです。

燃料漏れが起きやすい場所

内部の構造の話までしちゃうと長くなるので省略しますが、2,3は本来燃料が入らない場所なので、防水性はありません。
燃料が多すぎるときに揺らしたり傾けると、そこに燃料が入り込んでしまうので隙間から漏れてきちゃうわけです。

オイルランタンの使い方

それでは、ようやくここから本題の「オイルランタンの使い方」についてです。

注意

気楽に使えるから油断してしまいがちなんですが、オイルランタンは火を扱う機器です。
誤った使い方をしたら危険なものだと認識しておきましょう。

使い方以外にも、周囲に燃えやすいものがないかにも気を使う必要があります。
また、その辺の公園などの場合「火気厳禁」のところも多いですが、そういうところでは使っちゃだめです。小さいけれども火気は火気ですので。

燃料

オイルランタンで使用できる燃料は、灯油かパラフィンオイルです。

キャンプでは使う機会のある、ガソリン/ホワイトガソリンやアルコールは使用できません。

灯油はガソリンスタンドで売っているような普通のものでOKです。
コストが安い(1リットルで100円くらい)のが魅力です。

パラフィンオイルは、アウトドアショップやネット通販で購入できます。
コスト的には灯油の10倍以上(1リットルで1500円くらい)になります。

使い方・使い勝手はどちらも同じです。
パラフィンオイルのほうが若干粘性がある(ほんのすこしトロッとしている)ので、オイルと芯の相性によっては、芯への染み込みがおそくて火が弱くなってしまうことが稀にあるようです。

僕の場合、パラフィンオイルは以下のもの、あるいはこれの虫除けバージョンを使っています。

これで問題になったことが無いからいつもこれにしているだけです。

すくなくともFeuerhand, DIETZの純正ウィック(芯)やAliexpressの安い替芯ではなんの問題もなく使えています。

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火の明るさは灯油もパラフィンオイルもたいして変わりません。
灯油のほうが明るいという説明をよく見ますが、僕は違いを感じたことは無いです。

燃焼時のすす・臭いについては、灯油のほうが出やすいです。
すすについては、普通に使えば(火を大きくしすぎなければ)灯油でも出ないです。
使用時の臭いについては、灯油のほうが強めに感じますが、キャンプなど屋外で使う分には気になる人は少ないのではないかと思います

ちなみに、虫よけ効果つきのパラフィンオイルですが、僕は虫除け効果はまったく期待できないと感じています。

以前、自宅(夏場は蚊が多い)で試したときにはまるで効果がみられませんでした。
そもそも燃やす前の燃料はハーブ系の香りがしますが、燃やすとほとんど匂わないし。

僕が使っているのは、オイルランタンを買うために「虫よけにもなるんだよ」とか家族に言っちゃってるという事情があるためです。

信じるか信じないかはあなた次第ですが、キャンプなどの際は虫除けスプレーなど、他の手段による対策も併用すると良いのではないかとおもいます。

オイルランタンの燃料とする場合の、灯油・パラフィンオイルの比較をまとめたものが下の表になります。

灯油パラフィンオイル
入手性ガソリンスタンドで買えるアウトドアショップやネット通販等
価格100円/リットル くらい1200円/リットル 以上
燃焼よく燃えるオイルと芯の相性で燃えにくいことが稀にある
燃焼時のすす・匂い火力が強いと匂い・すすがでる比較的すす・匂いが出にくい

「揮発性が低く(蒸発しにくく)て、引火点が高い(95℃以上)からパラフィンオイルは安全」なんていうことが言われたりしていることがありますが、もちろん「安全」なはずはありません。

パラフィンオイルも灯油も「危険物(危険等級Ⅲ)」です。

パラフィンオイルと比べたら、灯油のほうが火がつきやすいというだけのことです。

パラフィンオイルも灯油も、取り扱いには十分注意するようにしましょう。

本当に正しい使い方は?

オイルランタンに限らずですが、基本的に「正しい使い方は説明書に書いている使い方」と考えるのが普通ですよね?

というわけで、まずはざっと2大メーカーの説明書をチェックしてみます。

例1. Feuerhandランタンの説明書

フュアハンドの説明書は代理店であるスター商事のサイトで公開されています。こちら

ここでは点火から消化までの流れの部分を見てみます。

Feuerhand Baby Special 276 説明書
フュアハンド ベイビースペシャル 276 取り扱い説明書より
例2. DIETZランタンの説明書

次に、デイツのものを確認しようとしたのですが、日本語の説明書は公開されているものが見つかりませんでした。(自分のランタンには日本語版が付属していたはずですが、捨てちゃったみたいです)

ググったら英語版のものがあったので、点火から火力調整の部分を確認します。

Dietz hurricane lantern instructions

#1のレバーを押し下げてホヤを上げ、芯を露出させます。
ホヤが上がっている状態で芯に点火します。
レバーを元の位置に戻し、ホヤを下げます。
点火した後、芯がフレームプレートから1.6mm(1/16インチ)より出ないように調整してください。
ランタンの動作温度まであたたまるつれ、炎は大きくなります。
点火してから5分以上経ったら、最も明るくなるように火力を調整できます。
芯を出しすぎると煙がでて、ホヤにススが溜まります。

— 筆者訳

翻訳がまずい面もあり、ちょっと分かりにくいですが、概ねフュアハンドと同じですね。

調整可能な炎の大きさに対する説明はだいぶ違いますが。。これについては後述します。

基本的な使い方はどの製品も同じ

どのメーカーの製品も、説明書に書いてあることは上記のように大差ありません。

そもそもオイルランタンの基本構造はみな同じですし、使い方もわりと直感的にわかりやすいので、いちど使ってみれば迷うこともあまりないのではないかと思います。

オイルランタンの点火から消火まで

では、ここから僕が大体いつもやっている「使い方」を紹介していきます。

1. 芯(ウィック)の先を切る

  • 芯の先の黒くなっている部分を切り落とす
    • 芯の先の形はお好きなように

タンクに燃料を入れる前に、芯の先の焦げた部分を切り落とします。
燃料を入れる前は芯がまだ濡れていないので、作業しやすいです。

これは、焦げた部分は燃料を吸い上げにくかったりして煙・ススの原因になりやすいためです。

おそらく毎回やらなくても大丈夫だと思いますが、僕は毎回使用する前にやっています。

芯の先の切り方

芯の先の形状によって、ある程度炎の形を調整することができます。

下の写真がちょっと試してみた例です。

芯のトリミングと炎の形

ネットを見てみた感じだと、芯の端を斜めに切り落とした台形型にしている人が多いようですね。
台形だと、炎の形と明るさのバランスが丁度よいと感じる人が多いのではないかと思います。

とくに「こうしなければいけない」という決まりはないので、炎の形にこだわってみたい場合はいくつか試してみると良いかもしれません。

僕の場合は、大抵まっすぐ平らに切るだけです。

フラットにしたときにできる炎の形は、上の写真のようなときもあれば、ハート型みたいなときもあります。どうなるかは出たとこ勝負ですね。

最初は多少炎の形が変でも、しばらくすればちょっと三角っぽい炎の形になってきたりします。
これはおそらく芯の角のほうが先に焦げてくるからなのではないかと思っています。

台形や三角にトリミングした場合、炎の形は大体ねらい通りになると思います。

ちなみに、フュアハンドとデイツのランタンの説明書ではまっすぐ平らに切るようにとのことです。

Feuerhand wick 説明文
フュアハンド説明書より
DIETZ wick 説明文
デイツ説明書より

炎の高さが同じなら、フラットに切る方が炎の幅が広いぶん明るくなりますので、メーカーの推奨としてはこうなるのでしょうね。

2. 燃料(灯油・パラフィンオイル)を入れる

  • 使わないときはタンクを空にしておく
    • キャンプのときなどは現地についてから燃料を入れる
  • なるべく使う分だけの燃料をタンクに入れる
  • ガソリン・アルコールは使えない

給油口から燃料をこぼさないように入れるだけです。

注意したほうがいいかもしれない点としては、

  • 移動先で使う場合は移動先で燃料を入れる
  • 必要以上の量を入れない

あたりでしょうか。

先にも説明しましたが、オイルランタンのタンクは密閉性はないので、傾けたり揺らしたりするとどこかしらから燃料が漏れてきます。

車などで移動する場合は、燃料は密閉できる別の容器にいれて運ぶようにしましょう。

同じ理由から、使い終わったらタンクに残った燃料は出すようにしましょう。
保管時も含めて、タンク内に燃料があるときに万が一倒れたりしたら漏れてきますので。

キャンプでは、ホワイトガソリンやアルコールも持っていく人も多いと思います。

それぞれの燃料の違いが明確にわかるように、別の色・形をしたボトルを使うなどの工夫が必要です。

ちょっと高いですが、燃料口に注ぎやすくておすすめです。

また、念のためそれぞれの燃料の匂いの違いも覚えておくといいと思います。

必要な燃料の量は?

必要な量だけ入れると言っても、具体的にどれくらいの量を入れればよいのか、よくわかりませんよね。

ここでは、あくまでも僕の使い方での燃料の消費量がどれくらいになるかを見ていきます。

実験に使用したオイルランタンはデイツの#76で使用した燃料はパラフィンオイルす。

まず、最初に燃料を適当にいれた状態でランタンの重量を測りました。

燃焼前 ランタン+燃料の重量 515グラム

使用前のランタン+燃料の重量は515グラムです。

ここから、4時間20分の間オイルランタンを使いました。
※ 4時間ちょうどでやめるつもりだったのですが、忘れていたため4時間20分という中途半端な時間になっただけです。

火力(明るさ)は僕が普段使っているくらいに調整しました。

ランタンの炎のサイズ

炎の大きさはだいたい2.5~3cmくらい。
改めて見てみると、芯はバーナーのベースから3mmくらい出していました。

火を消して、重量を測ってみたところ、使用後のランタン+燃料の重量は462グラムでした。

実験後のランタン+燃料の重量

つまり、4時間20分で消費した燃料の重量は 515-462=53グラム ということになります。

1時間あたりの消費量は、53(グラム)÷4.33(時間)=12.2 グラム/時間 となります。

単位がグラムだとちょっとわかりにくいので、ml(ミリリットル)に換算します。

パラフィンオイルの比重をざっと0.8と仮定すると、12.2÷0.8 ≒ 15 ml/時間 となります

つまり、僕の使い方では燃料の消費量は1時間あたり15[ml]くらいと言うことになります。

キャンプの場合、連続してオイルランタンを使う時間は、夕方~消灯で4-5時間といったところかと思います。

ランタンに限らず、キャンプで火を使うものは寝る前に完全に消化したことを確認するようにしましょう。

ちょっと多めに見積もって、燃料の消費量を1時間あたり20mlとしても、燃料は100mlも入れておけば十分というわけですね。

もし燃料が足りなかった場合は、燃料を補充してまた点灯すれば良いだけの話ですし。

3. 芯に点火する

  • 燃料を入れてから点火するまで10分くらい待つ
    • 芯の上まで燃料がしみてくるのを待つため
  • 点火する際は必要最小限な分だけ芯を出しておく
    • 最初は小さい火からスタート

燃料を入れてから、芯の先端まで燃料がしみてくるまで5~10分くらい待ちます。
もちろん、他の事をやりながらもっと待っても全く問題ありません。

新品の芯の場合はもっと時間がかかるので30~1時間待つという説もありますが、僕はそのような事を経験したことは無いです。おそらく使う芯によるのでしょう。

に新品の芯でもないのに30分以上待たなければ燃料が上がってこないとなると、おそらく燃料の供給が間合わなくてちゃんと燃えません。

芯か燃料か、あるいはその組み合わせに問題があるかもしれません。

※ 灯油よりパラフィンオイルは粘度がある(ほんのちょっとだけとろみがある感じ)ので、場合によっては芯が吸い上げづらいことがあるかと思います。

芯の先が燃料で濡れてきたら、ホヤを上げて、芯を1-2mmくらい出るように調整し、チャッカマンか何かで火をつけるだけです。
※ 心配なら芯の先を指で触ってみれば濡れているかどうかわかります。そこまでしなくても、火をつけてみれば燃料が届いているかどうかすぐわかりますが。

点火時にウィックを出す高さ
芯がこのくらい出ていれば余裕で点火できる

上の写真のように、狭いところで点火する必要があるので、マッチ、チャッカマンや伸縮式の小型ガストーチなどがあると便利です。
※ 中華系ランタンは上バーナー(ドーム)が下バーナー側についているので、更に狭くなります。

この新型はキャップがじゃまなんじゃ!!

火がついたらホヤを戻します。

中華系ランタンの場合は上バーナー(ドーム状の部分)が下バーナーと一体化しているのでもうちょっと芯を出さないと点火しずらいですね。

この場合、点火したらいったん芯を下バーナーから1-2mm位出るくらいまで引っ込めたほうがいいかもしれません。

最初は炎が小さくてOKです。

数秒~十数秒もすればバーナーが暖まり、炎が安定しますので、次の火力調整をします。
ちなみに、先に引用したデイツの説明書では5分後から調整していいように書いてありますが、僕はそんなに待ったことは無いです。
※ 説明書に書いてあるのだから本来はそれに従うべきとは思います。デイツの場合は5分待つということにしましょう。
※ 想像ですが、ランタンの温度が急激に上がらないようにしたほうが傷みにくいとかあるのかもしれません。

4. 火力を調整する

  • 芯を出す長さで火力を調整
  • 炎のサイズは控えめに
    • オイルランタンは暗いものだと割り切りましょう

火力調整のつまみ(芯を上下させるつまみ)で火力を調整します。

ここは各社のランタンの説明書で書き方が分かれるところですね。

よくあるのが「炎の高さが1.5~2cmになるように調整する」というもので、フュアハンドもこれです。
「芯がバーナーから1~2mm出るくらい」というパターンもありますが、これは実際やると炎が1.5~2cmというのと同じような感じになります。

もう一つのパターンが「すすが出ない出ないように調整する」です。デイツはこっちです。

これらは、おそらく燃料に灯油を使うことを想定した説明なのではないかと思います。

炎の高さが1.5~2cmとなると、灯油を使ってもすすが出ることはほとんどないですが、だいぶ小さな炎になります。
実際これを守っている人は少ないのではないかと思います。

僕の経験では、炎が3cmくらいまでなら灯油でもすすは出ていないように見えます。
※ Fueuerhand 276, DIETZ #76を使った場合です。

無理やり4cmくらいにすると、灯油だと明らかに目に見えるくらいすすが出てきますよ。

一方、すすが出ない範囲で調整すると、すすが出にくいパラフィンオイルの場合は炎が大きくなりすぎます。

基本的には説明書で推奨する範囲(炎の高さ2cm)を超えないように使うべきだとは思いますが、僕はもうちょっと大きめの炎になるように調整してしまっています。
具体的には炎の先の高さが大体2.5cmくらい(最大でも3cmは超えないくらい)ですね。← こういう使い方はおすすめしませんよ

このときの芯の出具合はこちらの写真の感じになります。バーナーから2~3mm出ているくらいです。

燃焼中のウィックの高さ

明るさを求めてしまうと炎を大きくしたくなるかもしれませんが、無理をしてもホヤの半分くらいがMAXだと考えています。明るさが最優先なら、芯を台形にカットしたりするのをやめるのも手だと思います。
そうすると本記事で対象にしているオイルランタン(Furehand, DIETZ#76/78くらいのサイズ)で3cm程度になるかと思います。← しつこいですが、おすすめしませんよ。

「すすが出ないなら(出ても気にしないなら)炎を大きくしちゃだめなのか?」っていう疑問が湧くかもしれませんね。

正直なところ、僕もわかりません。
僕の勝手な判断で2cmを超える炎にして使ってしまっていますが、これで危険や何らかの問題があるのかもわからないです。

なので、説明書の範囲を超えた使い方は、決しておすすめするものではありません。
というか、ブログ記事に書く上では、決して「やっても大丈夫」とは言えません。。

言い訳でしかありませんが、本記事で写真等に使っているのはデイツのランタンで、そっちの説明書には2cm以下で使えとは書いていないです。

5. 消火する

  • 芯を引っ込めて消火
  • ちゃんと消火したかしっかり確認

消火は芯をバーナーから出ないように引っ込めるだけです。

おそらく芯の調整つまみを90度くらい回転すれば十分です。
※ 芯の調整つまみはほとんど熱くなっていないはずですので触っても大丈夫です。

ここで大事なことは、ちゃんと消火したか確かめることです。
火が消えたように見えても、小さな青火が残っている場合があるので気をつけてください。

どのようにして確かめるかというと、再び芯を出してみることです。

目に見えないような火が残っている場合でも、芯を出すことによってまた炎があがるのですぐわかります。

また、このとき芯を下げすぎるとタンクに落ちてしまうので気をつけましょう。と大抵の説明書には書いています。

これは、ちゃんと芯を見ながら引っ込めれば防げます。
すくなくとも僕は一度もそんな事になったことは無いです。なりそうになったことも無いです。

ホヤを上げて、火を息で吹き消してしまう方法もあります。ろうそくの火を消すみたいなかんじです。

これなら芯をタンクに落とす心配は無いですね。

ただ、この方法は吹き消すときにちょっと煙が多めに出るのと、ホヤを上げたりする手間があります。
※ 芯を下げる方法でもよく見ると消えるときにちょっと煙が出ます。

僕にとっては芯を下げるほうが手っ取り早いので、このやり方はしていないです。

まとめ

オイルランタンはキャンプなどで使う燃料系の火器としては、比較的扱いが簡単な部類になると思います。

以下のことを念頭に入れて使えば、とくに難しいことは無いと思いますよ。

  • 火を扱うので、目を離さずに常に注意する。
  • 明るさを求めすぎない。
  • 必要以上に燃料をいれない。燃料を入れたら傾けたり揺らしたりしない。

それでは良きランタンライフを。

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ブログ管理人
KANI

キャンプ好きサラリーマン。歴は長いけど最近キャンプの機会は激減中。
キャンプ/アウトドア関連の役に立つ情報の発信を心掛けているつもりです。

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