はじめてのキャンプ道具の選び方

本格的にキャンプをはじめてみよう。

レンタルじゃなくて、自分のテントや道具がほしい。

そうなってくると、最初の関門は、「どの商品を買えばいいの?」ってことですね。

この記事では、購入前に知っておいたほうがいいと僕が思うことを書いていきます。

使っていないときのことも考える

普通のファミリーキャンプでは、キャンプをすると言っても、おそらく大部分の人は年間数泊程度、多くても数十泊だと思います。

つまり、年間を通じて大部分の期間、キャンプ道具は家においておくことになります。

道具を買う前に、収納場所・方法を考えておいたほうがいいですよ。

収納場所として理想的なのは、風通しの良い日陰になるところです。

日のあたる場所はだめです。樹脂とか布地は紫外線により劣化しちゃいます。日なたに放置した洗濯ばさみとかが、劣化してポロポロと崩れちゃうあれです。

湿った場所も特に布地類はだめです。僕の場合は、風通しの良くない自宅の裏の物置に置いておいたチェアなどにカビが生えてしまいました。しょうがないので、今は屋内に保管するようにしています。

モノによっては、収納しないという手もありますよ。

我が家のベンチはキャンプ時以外はカバーをかけて子供部屋のソファー代わりです。収納ラックなどは自宅でも小物用ラックです。

そんなわけで、自宅でも使えるかどうかという視点で見るのもいいんじゃないでしょうか?

もう一点、車への搭載も考えておかないと後で困ります。テントやらテーブル・チェアに、クーラーボックスなど、思いの外場所を取るものです。

僕の車はミニバンなので、そこそこ荷物スペースはある方だと思いますが、最初の頃はそれでもギリギリ収まるくらいでした。

最近は徐々にコンパクトな道具に入れ替えていますが、同時に増えていくものもあり、車の荷室もちょっと余裕が出てきた程度です。

ブランド信奉

いやらしい話になりますが、これも知っておいたほうがいいかもしれません。

この分野でも、ブランドの格付けが存在します。日本人の悲しい性ですね。

最初に断っておきますが、おそらくほとんどの人は、以下の流れで最終的にはブランドなんてどうでも良くなると思います。

  1. 始めた頃
    • ブランドなんて知らない、あるいはこだわる必要はないと人に言われて、安くて良いものを使おうと考える
  2. 慣れた頃
    • 安いブランドを使うのがちょっと恥ずかしく、カッコいいブランドのモノを揃えたくなる
  3. もっと慣れた頃
    • おしゃれキャンプをマスターし、結果高級ブランドのギアを中心にコーディネートする
      • あるいは
    • 見た目とかはわりとどうでも良くなり、コストパフォーマンスが良いものを使う

キャンプを始めようと考えるとき、キャンプ入門の情報をいろいろあさってみますよね? この記事を見ている人もそうかもしれません。

そういった中で調べていくと、ブランド・メーカーなんか気にするなって言う意見がよくあります。多くの経験者がそう考えているが事実なのでそのような記事が多いのは当たり前なのですが、現実はそうも行かないものです。

多かれ少なかれ、始めたらブランド・メーカーは多少気になるという人が大部分ではないかと思います。
自分は気になるかもしれないと思う人は気にしたほうがいいかもしれません。高い買い物ですから、くだらないところで後悔したくないですもんね。

そんなわけで、以下は僕が勝手に思っている(思っていた)、各ブランドのイメージを紹介しておきます。全部やっていくときりがないので、キャンプ道具としては大物となるテントのメーカー中心です。

ちなみに僕自身ですが、そこそこいろいろなものを使ってきた今となっては、メーカー・ブランドで判断するのはあまり意味がないと思っています。(繰り返しになりますが、多くの人はそう考えるようになります)

スノーピーク

ファミリーキャンプ向けの製品がメインとなるメーカーです。

最近はキャンプ場で1番多いのがスノーピークのテントだと思います。

全体的に、高価だけどハイスペックなテントを製造しています。アフターサービスが充実している(ことを前面に出してアピールしている)ため、少々高くてもいざというときの安心感も人気の理由かと思います。

車にステッカー貼るような熱狂的スノーピークファンもいる一方、アンチも多いですね。

ブランドのカラーがわりと統一されており、スノーピーク製品で統一するとかっこいいのですが、アンチは「ピーカー(スノーピーカーの略)」とか「黄門(ロゴマークからの連想)」なんて陰口を叩いています。面と向かって言われることはないので、そのへんは問題ありません。

そんなわけで、イメージとしては、「ちょっと高いけどいいテント」「小金持ちのテント」、ごく一部のアンチから見れば「メーカーの戦略に躍らされているバカのテント」といったところでしょうか。

コールマン

もともとはランタンメーカーで、今でもランタンではおそらくNo.1です。

日本ではファミリーテントの人気も高く、キャンプ場でもスノーピークとコールマンのテントで7割くらい占めている印象です。

価格帯は中程度(ハイエンドモデルのウェザーマスターシリーズは高価格)で、もたれるイメージとしては「普通のファミリーテント」といった感じでしょうかね。一部の高級テント持ちの人から見れば「初心者向けテント」です。

ogawa

元々は業務用の大型テントなどをメインに作っていた、小川テントの子会社であった小川キャンパルのブランドでした。小川テントが破産したため、今はキャンパルジャパンのブランドとして行き残っています。

コールマンやスノーピークのように、どこにでもショップがあるわけではなく、大型ショップでも現物の展示はめったにないです。そのため上の2つのブランドよりは知名度は低いと思います。

スノーピークと同様、ものはとてもいいけど高いです。

熱狂的なファンはいないがアンチもいません。

イメージは、知らない人から見ると「オガワとか誰だよダセえ」ってなるかもしれないけど、キャンパーから見ると「なんとなく玄人っぽい」といった感じかな。

ロゴス

以前は低価格帯中心だったが、最近は特にテントなどは中〜高価格帯のものにも手を出してきている感じです。

テントなどは配色が独特でおしゃれなものが多いです。

昔のロゴスの印象が抜けない世代の人が持つイメージは「安物テント」、若い人やテントのブランドになんか興味ない女性は「可愛い」でしょうか。

モンベル

登山用品に強いメーカーで、キャンプ用品では、シュラフ(寝袋)が有名です。(ただしオートキャンプで使うにはちょっとオーバースペックで高くつくものです)

また、自社ブランド以外にも、実はヘリノックスやジェットボイルなどの輸入代理店もやっていたりします。

ファミリー向けのテントにも山岳用途の思想が入っており、軽量で設置が簡単なものになっているのが特徴です。

登山をやる人のイメージは、山のユニクロ。登山用品・ウェアとしてはリーズナブルだけどガチ向けではない(シュラフ等、一部の製品は除く)という扱い。

なので、登山もやるキャンパーが持つイメージは、「ユニクロテント」。

その他のキャンパーは、「知らん」か「あっムーンライト(昔から変わらないモンベルの名作テント)や!!」っていう、ちょっと珍しいものを見つけた感じだと思います。

DOD, キャプテンスタッグ, ノースイーグル, etc.

ひとくくりにしてしまいましたが、これまで紹介してきたメーカー・ブランドよりも低価格帯の製品が多いブランド達です。

DODは特に名前を変えてから(以前はドッペルギャンガー)独創性があり、おしゃれな製品が増えていますね。テントではかまぼこテントがヒットして、入手困難になったりしました。

キャプテンスタッグは、「鹿番長」愛称で知られる庶民派キャンパーの味方です。

イメージは「安物」。ただしかまぼこテントは「かまぼこテントだ! いいなあ」ですかね。

海外幕

欧米メーカー・ブランドのテントやタープをまとめて「海外幕」と呼んだりします。(テント・タープのことを幕体と呼んだりするんです)

普通に海外幕といった場合、中国のなどの低価格帯がメインのメーカーは含みません。

テントに関しては、わざわざ日本の気候に合わない普及価格帯のものを使う人はいないので、一部の高級メーカー・ブランドのことを指すことが多いです。比較的よく見かけるのは、ノルディスク、MSR、ヒルバーグあたりでしょうか。

それだけに、基本的には日本で買うとかなり高額です。

それぞれ特徴がありますが、オートキャンパーが持つイメージとしては、「オシャレ」「お金持ち」といった感じだと思います。

※ あくまでも、イメージとして「安物」「高級」「初心者向け」という表現を使いましたが、イメージと実態は別物です。

※ ここで挙げたメーカーのものは総じてファミリーキャンプには十分の物だと思っています。むしろ、一部の高級テントなどは、よほどの悪環境でのキャンプに挑戦するのでない限り、オーバースペックなものだと思っています。

どこで買う?

最初のうちは大型スポーツ点やアウトドア専門店に行って、自分の目で見てみるのがいいと思います。

ホームセンターなどでもキャンプ用品はあり、中にはかなり安いものもありますが、安物買いの銭失いなんてことになりかねないものがあるのも事実です。

大型スポーツ店(スポーツオーソリティ、WILD–1、エルブレス等)であれば、大手メーカー各社のものから、リーズナブルなショップブランドのものまで揃っていますし、謎メーカーの粗悪品などもありません。

ただ、ogawaやモンベルなどは、取り扱っているショップがやや少なかったり、あっても現物が展示されていないことが多いので、直営店などに行かないとお目にかかれないかも知れません。

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本当に必要?

どんな趣味にもありがちだと思いますけど、油断していると、いらないものが増えちゃいます

じゃあ本当に必要なものって何よ?ってことですが、そんなものは人によって違います。一口にキャンプと言っても、ちょっと贅沢に自然を満喫するのが好きな人もいれば、あえて不便を楽しむという考え方もあります。スタイルは人それぞれなので、必要なものも人それぞれになるわけですね。

最初のうちは、実際にキャンプをして、必要だと思ったものから揃えていけばムダも少なくなるのではないかと思います。

キャンプ場によっては、テントから鍋まで、レンタル品が充実しているところもありますので、それで様子を見るのも手ですね。

よく「キャンプの必須アイテム!!」なんていう商品紹介記事があったりしますが、参考にはなるかもしれませんがあてになりませんよ。(あれは、人目を引くための演出的な誇大表現か、単に”必須”の意味を間違っているだけです)

僕は、オートキャンプで”必須”なものといえば、車くらいしか思いつかないなあ。それだってレンタルできますけどね。(ファミリーキャンプで必須なのは家族だけ。。)

僕なんかちょっとした小物を忘れることはよくあることですし、過去には一緒に行った家族がテントを忘れて(!!)車で寝ていました。彼ら曰く、「テントいらないかも」とか。。

かく言う僕は、わりと買ってから失敗に気付くタイプです。。

僕が失敗した買い物

最後に、僕がこれまで失敗したなあと思っている買い物をちょっとだけ紹介しておきます。あくまでも、僕にとっての失敗に過ぎないので、参考にはならないと思いますが、人によって必要なものといらないものにこれだけの違いが出るんだということの一例だと思ってください。

ツールームテント

みんな良いと言うし、テントとタープを別に揃えるよりも楽だと思い、最初に買ったのは、ツールームテントです。

当初は失敗とも思わず、何年かはこういうもんだと思って使っていました。後にドームテントとオープンタープの組み合わせに変えてから、失敗だったと思うようになりました。

まず、このツールームテントですが、僕には重くてでかすぎでした。

1人で張るのはほぼ不可能で、2人がかりでもなんだかんだで設置に30分以上はかかりました。幕が大きいので撤収も大変でした。

ドームテント+オープンタープの今は、一人で張ってもちゃっちゃとやれば合計で15分かからないと思います。実際には早々にビール飲みながらのんびりやることが多いので、20分以上はかかってますけど。。

さらに、僕はリビングスペースとしてはオープンタープのほうが気に入りました。開放感とか風の通りとかが全然違うんですよ。

2ルームとオープンタープの両方を張れるような広いサイトはそうそうないし、オープンタープを張ったら2ルームのリビングなんて、ただの物置になるだけですから。


特にファミリーテントの場合、ドーム型といっても前室があるものが多いので、靴や小物はここにおいておけます。多くの場合はこれで十分だと思います。

オープンタープを使い始めた頃から2ルームが邪魔(収納時もでかい&重い)になり、結局設置が簡単で軽いドーム型のテントに変えてしまいました。

ただ、雨がひどいときは2ルームのほうが過ごしやすいですね。雨中での大型幕の撤収は最悪ですけど。。。

それと、暖房器具を使うような冬場も2ルームが過ごしやすそうに思います。我が家は冬キャンプはやりませんが。

ツーバーナー

これも多くの人にはいいものだけど、僕にとっては不要だったものです。

まず、僕の場合、焼き物は炭火を使うことが多いです。

そしてちょっとした汁物なんかも炭火がついていればそれを使っちゃいます。

なので2口コンロが必要になることはあまりないです。

さらに、ちょっと大きいダッチオーブンを使ったりする場合、スペースの関係でツーバーナーでも片方しか使えません

場所を取る割にツーバーナーのメリットを享受していなかったんです。

後になって、自宅で鍋をするためにカセットコンロを買ったんですが、このときにアウトドア用のもの(風防がついていて風に強い)にしたんです。

このカセットコンロがが大当たりでした。場所も取らないし、使うときだけちょっと出して使い終えたら片付けてしまえばいいし、テーブルで鍋を囲んだりもできます。

自宅でも使うことも考えた結果、僕が選んだのがこれです。

火力がそこそこ強くて、風にそこそこ強い(風が強い日は別途風よけがないと無理です。これはアウトドア専用のバーナーでも同じですが。)そしてケースがついて5,000円程度なのでかなりいいものだと思います。アウトドア専用で考えるなら、もうちょっとコンパクトになるものもありますね。

商品名はHOME&CAMPとなっていますが、この手の構造は炎の熱がテーブルに伝わります。テーブルの表面やテーブルクロスが溶けたり焦げたりする恐れがあるので僕は使いません。
この商品、実際僕は使ったことがありませんが、現物をみると作りはしっかりしており、コンパクトに畳めるので、キャンプ専用なら良い選択肢だと思いますし、かなりの人気商品です。

僕はもっぱら炭火のバーベキューコンロと、カセットコンロですませています。場所を取らないので衝動買いしてしまったガソリンのシングルバーナーも持っていきますが、出番は少ないです。

最近はツーバーナーよりカセットコンロの人のほうが多いですね。

遮光性の高いタープ

これは失敗したとまでは言い切れません。わざわざ高いもの買ったのにそんなもんいらなかったという話です。

タープを日除けと考えると、遮光性の高い(太陽光を遮る能力の高い)ものが良いに決まっています。

実際、昼間にタープの下にいると、遮光性の高いタープのほうが間違いなく涼しいです。

ただ、遮光性の高いものは、生地が厚くて重いし、収納時もかさばります。

もう一点、遮光性の高いタープは、当たり前ですけど暗いんです。今では明るい(遮光性の低い)タープになれてしまったので、特に春秋は、暗いタープは使いたくないです。

そもそも、我が家では子供がいることもあり、昼間にタープの下で過ごすのは簡単な昼食をとるときくらいです。それ以外の時間は、場内の小川などで遊んだり、どこか外に出ちゃっています。

そういうわけで、僕にとってタープは、雨や頭上の木からポトポト落ちてくる虫や謎の物体(キャンプやっている人はわかると思いますが虫や葉っぱ以外にも何かが落ちてくる)を防げればよかったんです。

今は軽くて明るい薄手のタープを使うようになり、厚手のタープは出番がなくなりました。


遮光性はそこそこで、重さもそこそこだけど、張ったときの姿が美しくて価格もリーズナブルなので人気がありますね。
僕も以前(昔のモデルを)使っていましたがいいタープだと思います。今は使うことはなくなりましたが処分する気になれず、まだ持っています。

まとめ

なんだか何も買うなと言っちゃってるみたいになりましたが、そういう気はありません。

オートキャンプ、ファミリーキャンプにも人それぞれのスタイルや好みがあって、一概に何を揃えれば良いっていうのは言えないということです。

一揃い買っちゃったのに、いざキャンプしてみたら肌に合わなくて二度と行かないなんて人も珍しくないです。

経済力に余裕がある人は別として、一気に全部買うのはリスクがあリますよ。

高い買い物ですからなるべく失敗したくないですもんね?

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