テフロンが剥がれたホットプレートをシーズニングで復活させる

もはやいつどこで手に入れたのかも覚えていないホットプレートが我が家にあります。少なくとも10年以上は使っていると思われます。(使用頻度は月に1回以下だと思いますが)

もう最近はテフロンも効かなくなってきており、開き直って金属ヘラでもんじゃ焼きなんかをしたりしちゃっているような始末です。

そんな我が家のホットプレートですが、長年使ってきたのに簡単に捨てるのは忍びなくなり、ダメ元でスキレットなどでやるシーズニングをしてみたところ、(ちゃんとやれば)いい感じになることがわかったので、その方法を紹介します。

普通のテフロン加工復活方法

シーズニングについては後に説明します。

ただ、その前に誤解の無いように述べておきたいのは、シーズニングとテフロン加工(フッ素樹脂コーティング)は別物であるということです。

いきなりシーズニングに走る前に、普通の(?)テフロン加工を復活させる方法について説明します。

テフロン加工は剥がれていないかもしれない

まず確認すべきことは、「本当にテフロン加工が剥がれてしまっているのか?」ということです。

というのも、テフロン加工が剥がれているのではなく、テフロン加工の上に焦げ付きなどがこびりついているだけの場合も多いのです。

この焦げ付きですが、例えばフライパンの場合は以下の方法で落とすことができます。

  1. 水と重曹(なければ洗剤でもないよりは良いかも)をいれ、沸かす。
    • 細かい泡がシュワーっと出てくるので10分程度煮込むかんじで
  2. 火を止めて数時間以上放置
    • 時間は適当で良いと思いますが、十分に焦げ付きをふやかすイメージで
  3. スポンジや亀の子たわしで優しくよごれを擦り落とす
    • 柔らかいスポンジで優しくこすって汚れが落ちればベストですが、そんなことにはならないと思うので、亀の子たわし(金属たわしはだめ)などでこすって落とします
      ※ もしこれくらいでテフロンが剥がれてしまったら、どのみちもう使えないものだったと思ってください

これだけでテフロン加工(フッ素樹脂コーティング)が戻ってくるかもしれません。というかおそらく50%以上の確率で戻ってきます。

ただし、焦げがつくようになっているテフロンは既に表面に痛みがあると思われます。新品のようなコーティングまで戻したい場合は、テフロンコーティングの再加工をするという選択になります。

テフロンコーティングの再加工

テフロンコーティングの再加工業者に依頼する

当然といえば当然ですが、テフロン加工を復活させるには、専門業者に依頼するのがベストです。

加工料金は、サイズなどによって大きく違ってきますが、フライパンで1,500円、ホットプレートなら3,000円程度が目安となります。

以下に業者さんの例をあげますが、他にも多くの業者が個人向けにも再加工サービスを提供しています。「フライパン 再加工」等でググれば見つかると思います。

一点注意があります。これらの業者での再加工が可能なものは、木やプラスチック等の取っ手が無いもの、あるいは取り外せるものに限ります。

業者での再加工はフッ素樹脂をオーブン等で高温に加熱することで強靭なコーティングをするものなので、燃えたり溶けたりする取っ手等がついているものはダメなのです。

フッ素樹脂スプレーで簡易コーティング

フッ素樹脂スプレーを購入して自宅で再コーティングすることもできます。

例えば、アズワンのフッ素革命11は、食品衛生基準適合品とのことで、フライパンやホットプレートなどの調理器具にも使えるフッ素コート剤です。

家庭で手軽にできる利点はありますが、再加工業者に出すより高くつくこともある上、いたんだテフロンの上に薄い膜を作るだけ(再加工業者では古いコーティングをすべて剥がした後に新しいコーティングを施します)であり、耐久性はあまりありません。

COMMENT

フッ素革命自体は、フライパンなどのフッ素コーティングとしては今ひとつだと思いましたが、洗面台などに使うと汚れがつきにくくなるし、ついても簡単に落ちる様になるのでとても良いです。

安いフライパン・ホットプレートなら素直に買い替える(?)

最近はテフロン加工のフライパンなんて当たり前にあるものなので、一番安くつくのは買い替えだったりすることもありますよね。

今回の我が家のホットプレートの場合は業者の再加工費に3,000円出すなら買い替えてもいいようなホットプレートでした。

ただ、そのまま捨てるのもなんとなく忍びないし、うまくすればテフロンとは違ったあのスキレットの感じになるのも悪くないと思ったので、シーズニングを試してみたというわけです。

というわけで、以下の方法は新品のテフロンの感触を取り戻したい人には向かないと思います。

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まずシーズニングって何?

シーズニングというのは、鉄製品の表面に油を重合化(ポリマー化)した膜を生成して、鉄をサビから守ったり、食材が焦げ付きにくくしたりするためにする処理のことを言います。

キャンプなどで使われるスキレットやダッチオーブンでは当たり前の処理ですし、鉄製のフライパンに施す場合もあります。

シーズニングを行った後の表面は、水を弾き、油を弾かない(油が馴染む)性質で、食材も焦げ付きにくくなります。

シーズニングについて、できれば以下の記事を一読していただくことをおすすめします。この記事を読めば、シーズニングに向いている油や手入れの方法等を理解してもらえると思います。
※ ホットプレートのやり方はこの後説明するので、読まなくてもシーズニングはできると思います。

Before : 処理前の状態

こんな感じです。

処理前の状態

写真では伝わらないかもしれませんが、周辺部を除き、茶色い焦げだかなんだかよくわからないものがこびりついている状態です。

この茶色くなっているエリアは、焼き物なんかをすると食材が焦げ付きやすい状態です。

周辺はまだテフロンが残っているので焦げ付きもありません。

CHECK

テフロンコーティングにダメージがない場合は、この茶色い焦げを剥がすだけでテフロンが復活する可能性があります。
シーズニングを試す前に、まずこの焦げ付きだけを剥がしてから様子を見てみるのもよいと思います。
焦げ付きは、細かめの紙やすりであまり強くこすらないように削ることで剥がすことができます。

Process : シーズニング

それでは、ここからシーズニングの方法について説明していきます。

前処理

まずは、表面の汚れと残っているテフロンを剥がすため、紙やすりで削っていきます。

粗目の#60を使って削っていくのですが、大変な作業です。

茶色い焦げ付きみたいなものは比較的簡単に落ちるのですが、テフロン膜がなかなかきれいに落ちません。

僕の場合は面倒になって、テフロンを残したままにしてしまいました。が、これは間違っていました。

後で説明しますか、テフロンは完全に剥がすべきです。テフロンは油を弾くので、これが残っているとシーズニングのときにちゃんと油を塗れません。

僕の場合は以下の感じまでしか削りませんでした。

ちょっとわかりにくいかと思うので、水をかけた状態を見てみます。

この写真で水を弾いているところの大部分はテフロンが残っているところです。ちゃんとテフロンがなくなっているのは真ん中あたりだけです。

ただ、これを紙やすりだけでやるのはきついと思います。

この手のルーターとかがあればそれで試してみることをおすすめします。

僕は電動ドリルもそれ用のヤスリも持っていたのに、すっかり忘れていました。次にシーズニングをやり直す機会があったらそれを使います。

※ なにかいい方法を知っている方いませんか?

シーズニング

僕はちゃんとやらなかったテフロン剥がしを終えたら、シーズニングの作業に入ります。

この作業は換気扇の下など、通気の良いところで行ってください。油の匂いが結構しますし、有害なガスも多少は出ると思います。

油を塗る

油はグレープシードオイルを使いました。この油にした理由は、先に紹介したこの記事を参照ください。

まず、ホットプレート全体に薄く油を塗ります。

ほら、油を弾いちゃっているのがわかりますか? 写真で黒くベタッとした感じのところだけが油をはじいていないところです。

油を塗ったら、アルミホイルで覆い、その上から蓋をします。これはシーズニングを促進するため熱を逃がさないようにするためです。
※ アルミホイルはなくてもいいと思いますが、これがないと蓋が汚れます。

このホットプレートの最大温度である230℃にして30分熱します。
※ 温度も時間もあまり厳密ではないです。200℃以上かつ30分以上くらいが目安かと思います。

30分後、スイッチを切り、ホットプレートが少し冷めたら確認します。
この時点の様子が下の写真です。

周辺部のテフロンがきれいに残っているところはもう全然ダメです。中心近くはまあまあ膜になっています。

以上の工程(油を塗って熱する)を3-5回繰り返せばシーズニングは完了です。何回か薄塗りを繰り返すことで質の良い膜が出来ます。

ちなみに、今回ボクは4回繰り返しました。その結果が以下の状態です。

なんかこうやって見るときったない油汚れがべっとりこびりついているだけのように見えますが、これはシーズニング後に洗剤で洗った後の状態ですよ。
油っぽさはなく、プラスチックみたいな感じです。

ただし、テフロンがきれいに残っていた周辺部は、この後にふきんで強くこすっただけで剥がれてしまいました。
中心部は問題ないです。

After : 使ってみる

最後に、ちょっとだけ使ってみた様子を説明します。

とりあえず、くっつかずに焼けることを確認するのに良さそうな、目玉焼きをつくってみました。

目玉焼きのつくり方を紹介してもしょうがないので、結果を言いますと、こんな感じです。

裏側がカリッとなるまで焼きましたが、焦げ付きは全くありません。

当面はこのホットプレートも現役で使えそうです!!

シーズニング後のホットプレートですが、使い心地は新品のテフロンのようにはいきません。
スキレット等を使っている人ならわかると思いますが、基本的に焼き物などは油をひいて使います。(油がよく馴染むので量は少なくて済むと思います)
焦げ付きはしにくいですが、テフロンほどではありませんのでご注意ください。

追記:
焼き肉もしてみました。焦げ付きやすいタレ付き肉も焼きましたよ。写真忘れましたが、巨大なスキレットで肉と野菜を同時に沢山焼く感じです。
個人的にはかなり気に入りました。
使用後の洗浄はテフロンより少し汚れが取れにくいです。(スキレット使う人なら知ってますよね)
洗剤とタワシでこすってみたりしましたが、コーティングが剥がれてしまうようなこともありませんでした。

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ブログ管理人
KANI

キャンプ好きサラリーマン。歴は長いけど最近キャンプの機会は激減中。
キャンプ/アウトドア関連の役に立つ情報の発信を心掛けているつもりです。

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コメント

  1. より:

    すごい。物を大事にしていて尊敬します。
    コーティング調理器具はすぐにくっついてしまうので、安いとはいえどうにかならないものかとこちらに辿り着きました。

    興味深い記事をありがとうございます

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