こちらの記事で、カブトムシやクワガタを捕まえるためのバナナトラップについて紹介しました。
その記事では触れなかったのですが、実はバナナトラップの改良版のアイデアが一つあるんです。
もう名前までつけちゃってます。
その名は”バナトラ+(プラス)“。
バナナトラッププラスを略しただけの安易な命名ですね。
このバナトラ+ですが、実はまだ実践投入していません。なので、効果のほどは、まったく未知数です。ちょっとだけ試してみましたので、最後に結果を追記しました。結論から言うと、まだ効果はよくわかりません。
なので誰かこれを試して結果を教えてくれないかなぁなんて、虫のいいことを考え、あえてこの時点で記事にしちゃいました。。ごめんなさい。。。
さて、バナトラ+と言う以上、普通のバナナトラップに何らかのものがプラスされたものであることはご想像のとおりです。
では、一体何をプラスするのかというと、それは「誘引物質」です。
クワガタの誘引物質
クワガタ採集についてしらべている中で、イギリスの大学の興味深い論文を見つけました。
その論文のテーマは、クワガタ(ヨーロッパミヤマクワガタ)の生態調査のために、それらの生息数を推定する為の手段を検討するといったようなものです。
その研究の一部で、クワガタがどのようなものに誘引されるかを実験したものがあります。
以下はその論文から一部を抜粋したものです。日本語の部分は僕の訳です。
Alpha copaene has been shown to be an attractant to other saproxylic insects (e.g. Vrkocova et al., 2000) and to test this substance, 100 mg was placed on cotton wool in glass vials. In addition, certain fruits and roots are also known to emit this chemical, notably mango and avocado fruits (Siniyinda & Gramshaw, 1998; Shelly et al., 2008) and ginger roots (Shelly, 2001), so these were also used.
α-コパエンは、他の腐食性昆虫(訳注:動物の死骸や枯れ木を餌とする昆虫)の誘引物質であることが知られている(例. Vrkokka他, 2000年)。そのため、この物質100mg染み込ませた脱脂綿をガラス瓶に入れてテストを行った。さらに、特定の果物や植物の根、特にマンゴーやアボカド(Siniyinda & Gramshaw, 1998年; Shelly他, 2008年)やショウガの根()Shelly, 2001年)も、この物質を放出することが知られているため、これらを使ったテストも行った。Of the various plant parts tested, ginger root and the fruit of mango and avocado were particularly attractive and in all cases, there was no difference between the responses of males and females (Table 1). In each case, the proportion of beetles responding to these substances was not different to that for alpha copaene.
テストした植物のうち、特にショウガの根およびマンゴーとアボカドの実がクワガタを惹きつけた。こそしてこれらの植物では、オスとメスに反応の違いは見られなかった。またこれらは、惹きつけられたクワガタの割合も、α−コパエンを使う場合と違いがなかった。出典 :
Development of non-invasive monitoring methods for larvae and adults of the stag beetle, Lucanus cervus(リンク先無くなってしまいました)
実験結果を見ると、クワガタのオスメス両方ともショウガやマンゴー、アボカドに惹き寄せられていることがよくわかります。
マンゴーやアボカドなんか使ったら家族に怒られそうですが、料理のあとに余ってしまいがちなショウガだったら使えそうな気がしますよね。
つまりそういうことです。
僕が試してみたいバナトラ+のアイデアとは、普通のバナナトラップ+ショウガのことなんです。
バナトラ+の作り方
バナナを発酵させるところまでは、普通のバナナトラップと同じです。
そして、トラップを仕掛ける直前に、スライスしたショウガ(おろしショウガでもいいかも)を加えます。
たったのこれだけです。
あえて言うなら、ポイントはショウガを加えるタイミングでしょうか。
いろいろ調べてみましたが、発酵時にショウガを一緒に入れておくメリットは特になさそうです。
それと、収穫後のショウガがα−コパエンを生成するようなこともなさそうです。つまり、スライスした時点から、誘引物質であるα−コパエンは、徐々に揮発して減っていくものだと思われます。
そういうわけで、トラップを仕掛ける直前にショウガを加える、ということにしました。
効果はまだ不明
始めに言いましたが、まだちょっと試してみただけなので、効果があるのかどうかはっきりとはわかりません。
一応試してみた
ちょっと試してみただけなので、ちゃんと写真も撮っていなかったりします。申し訳ありません。
まだ、カブト・クワガタがそこそこいるようなところで試せていないんです。自宅からわりとすぐに行ける範囲だと、あまり数がいないんですよね。。
試した方法は、(ノーマル)バナナトラップとバナトラ+の両方を作って5mほど離れた木にぶら下げてみるというやり方です。
バナナトラップのベースは同じように作り、バナトラ+のほうににショウガ1かけら分くらいをスライスしていれました。
夕方仕込んで、確認したのは夜10時くらいだったと思います。
そして、その結果は
- ノーマルバナナトラップ : 0匹
- バナトラ+ : カブト1匹+ノコギリクワガタ1匹
というものでした。
数字だけ見るとバナトラ+のほうが多いのは確かですが、さすがに母数が少ないのでなんとも言えないですね。
たまたまバナトラ+をぶら下げた木が良かっただけかもしれませんし。。
言えることは、ショウガを加えることであからさまなデメリットはなさそうといったところでしょうか。